弁護士法人杜協同 阿部・佐藤法律事務所

HOME > 法律問題Q&A > 震災法律相談Q&A

震災法律相談Q&A

借家の滅失

A:賃借家屋が地震等で滅失した場合には、賃貸借契約は履行不能により終了するのが原則です。
この場合、賃貸人と賃借人はそれぞれ契約上の義務を免れ、敷金や保証金を清算することになります。

A:木造建築かつ火災による滅失についての2つの裁判例があります。
裁判例では、いずれも2階部分はほとんど焼失したものの1階部分の被害は限定的であったような事案について、滅失したといえるかどうかの判断が分かれています(なお、事案の詳細は最判昭和42・6・22、大阪地判昭45・9・25)。
裁判所の判断の分岐点はかなり微妙ですが、いずれも①建物の損傷の程度(賃借目的物の主要な部分が焼失して賃貸借の趣旨が達成されない程度に達しているかどうか)と②経済的観点(通常の費用で修復可能かどうか)を問題としており、参考になります。

A:今回のような大地震で先ほどの原則をそのまま適用すると、多くの人が生活の本拠を失うことになりかねません。そのため、昭和21年に罹災都市借地借家臨時処理法(以下「罹災都市法」といいます。)が制定されています。

A:罹災都市法は、大地震などの災害が発生した後、政令で指定されることによって適用されることになっています。
今のところ東日本大震災はこの政令の指定を受けていません。
この罹災都市法では、
①罹災時に地主と家主が同一であった場合など、建物滅失当時に敷地に借地権が存在しなかった場合には、従前の借家人は2年以内に土地の賃借を申し出ることによって、他の者に優先して、相当な借地条件でその土地を賃借することができる(優先借地権・2条1項)
②家主が地主から土地を借りその上に建てられた建物を賃貸していたような場合など、罹災時に借地権が存在した場合には、従前の借家人は2年以内に当該借地権を譲り受ける旨申し出ることによって、他の者に優先して、相当な対価でその借地権を譲り受けることができる(借地権優先譲受権・3条)
③従前の借家人は、地主や借地人が罹災後最初に建てた建物について、その完成前に申し出ることにより、他の者に優先して、相当な借家条件でその建物を賃借することができる(優先借家権・14条)などとされています。ただし、これらの規定には一定の要件がありますので、個別に弁護士に相談してみることが必要だと思います(2条1項但書等参照)。

借地借家の問題

ページのトップへ戻る